植田総裁は、ワシントンで開かれていたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議などに出席したあと、現地のシンクタンクで講演しました。

このなかで、植田総裁は、先月、世界の主要な中央銀行で唯一、続けていたマイナス金利政策の解除など大規模な金融緩和策の転換に踏み切ったことについて「物価見通しの改善を踏まえて、2013年から実施してきたイールドカーブ・コントロール付き量的・質的金融緩和をやめることを決めた。つまり、短期金利を設定する“普通の政策”に戻した」と説明しました。

その上でこの先の金融政策の方向性について「基調的なインフレ率が上昇し続ければ、利上げに踏み切る可能性は高い」と述べ物価や賃金の動向を分析しながら追加の利上げを判断していく考えを示したほか、「国債の買い入れ規模を減らす方法や時期を見つけたいと考えている」などと述べました。

外国為替市場で歴史的な円安水準も続く中、日銀の金融政策は引き続き、国内外から注目されそうです。