さらしを巻いた数百人の男たちがせめぎ合う古川祭の「起(おこ)し太鼓」が19日夜、岐阜県飛驒市古川町であった。

 山あいの旧城下町は打ち鳴らされる太鼓の音と、男たちの熱気に包まれた。

 やぐらの上の大太鼓(直径80センチ)にまたがる「上打ち」の2人がばちを振り下ろすと、小さい「付け太鼓」を担ぐ男たちが気勢を上げながらやぐらを目指して殺到した。

 やぐらは、まちを巡行し、付け太鼓の男たちが激しくぶつかり合いながら続いた。

 「上打ち」を務めた三嶋健太郎さん(38)は「あこがれの場所だった。最高の気分です」。千原和成さん(37)は「疲れより達成感が大きい」と話した。

 地元にある気多(けた)若宮神社の例祭。コロナ禍で中止や規模の縮小が続き、5年ぶりの通常開催となり、激しいもみあいも解禁された。

 20日は豪華屋台の曳(ひ)き揃(そろ)えやからくり奉納などがある。(荻野好弘)